Google Workspaceはどのプラン?CADデータを壊した町工場がStandardを選んだ理由
CADデータが、開くたびに壊れていった

うちは創業当初から、社内にNASを置いて仕事のデータを管理していました。管理はもちろん自分です。
RAID5で組んでいたので、HDDが1台壊れても大丈夫。そう思っていました。
実際、1台目のHDDにエラーが出たときは交換して復旧できました。その4ヶ月後に2台目が壊れたときも、同じように交換して問題なし。「残り1台も時間の問題だな」と、エラーが出るのを待っていたんです。
そこから3週間後。社員から「データを上書きすると壊れて開けなくなる」と言われました。
最初はPC側の問題だと思っていました。NASのHDDは2本が新品で、管理画面には正常と出ている。ところが調べていくと、他のPCでも同じ症状が出はじめる。エラーを出していない3台目のHDDが、書き込みのたびに静かにデータを壊していたわけです。

壊れたのは、PDF、Excel、そしてAutoCADの図面データ。CADデータは町工場にとって会社の財産です。あのときは本当に冷や汗が出ました。

有り合わせの外付けHDDをかき集めて、約1TBのデータを丸一日かけて救出。ただし、気づかずに上書きしてしまったデータは戻りませんでした。復旧業者にも問い合わせましたが「破損データの復旧は不可」。
このときの顛末は、もう一つのブログに詳しく書いています。
→ NASでもバックアップは絶対必須!後悔してもデータは戻りません
手間が全部、自分に返ってくる

この一件以降、バックアップ体制は作り直しました。ただ、根本的な問題は残ったままでした。
管理の手間が、全部自分に返ってくることです。
HDDのトラブル対応も自分。セキュリティの設定も自分、アクセス権限の管理も自分、容量が足りなくなればディスクの増設も自分。社長が本業そっちのけでHDDをかき集めている時点で、どう考えても健全ではありません。
そして極めつけが、最終的なバックアップにはクラウドサービスを使っていたことです。
社内にNASを置いて、その中身をクラウドに逃がしている。よく考えたら、二重に手間とコストがかかっているだけでした。だったら最初からクラウドに置けばいいわけです。
そこでGoogle Workspaceへの移行を決めたのですが、そこで必ずぶつかるのが「Starter・Standard・Plus、どれを選べばいいの?」という問題です。
うちは6人の町工場です。さらにその後、2社目を立ち上げたときにもう一度ゼロからこの選択をしました。同じ判断を2回やったことになります。
この記事では、カタログの機能比較ではなく、実際に使ってみて「ここが効いた」という現場目線でプランの選び方を書きます。
まず料金(2026年9月時点)
1ユーザーあたりの月額です。税抜。

| プラン | 年間契約 | フレキシブル | ストレージ |
|---|---|---|---|
| Business Starter | 800円 | 950円 | 1人30GB |
| Business Standard | 1,600円 | 1,900円 | 1人2TB |
| Business Plus | 2,500円 | 3,000円 | 1人5TB |
年間契約とフレキシブルの違いは、1年使うと約束する代わりに安くなるか、いつでも辞められる代わりに約2割高いか、です。人の出入りが読めるなら年間契約で問題ありません。
うちの6人で計算すると、年間契約でこうなります。
- Starter:月4,800円(年57,600円)
- Standard:月9,600円(年115,200円)
- Plus:月15,000円(年180,000円)
StarterとStandardの差は、6人で年間57,600円。決して小さくない金額です。
なお、Business系の3プランは最大300ユーザーまで。中小企業なら気にする必要はありません。
Standardにした理由①:30GBでは話にならなかった
うちが最初に切ったのは、Starterという選択肢でした。
理由は単純で、1人30GBでは全然足りないからです。
NASで管理していた時点で、社内にはすでにそれなりのデータがありました。物件ごとの図面、打合せ資料、見積・請求の控え、製品写真、検査資料。製造業は写真とPDFが延々と溜まります。
Starterは1人30GB。6人なら合計180GB。移行した初日に埋まる量でした。
Standardは1人2TB。6人で12TBです。桁が2つ違います。
結局、今は会社用のアカウントと別事業のアカウントを追加し、自分も含めて合計9アカウントで運用中なので18TB使えることになります。


「容量だけ追加する」という手もあるが
Google Workspaceでは、追加のストレージを別途購入することもできます。Starterのまま容量だけ足す、という選択肢は一応あります。
ただ、そこまでやるなら答えは明らかでした。同じお金を出すなら、容量だけでなく機能も増えるStandardのほうが得です。容量のためだけに追加料金を払うのは、どう考えても損な買い物でした。
Standardにした理由②:共有ドライブが使える

もう1つ、実務で大きく効いたのがこれです。
共有ドライブはBusiness Standard以上でないと使えません。
Starterでもファイルの共有自体はできます。ただそれは、個人の持ち物を他の人に貸している状態です。ファイルの所有者はあくまで作った本人。その人のアカウントに紐づいています。
共有ドライブは違って、ファイルの持ち主が会社になります。人が入っても辞めても、ファイルは会社のものとしてそこに残り続けます。
小さな会社ほど、この差は効きます。人数が少ないぶん「あの人しか持っていない資料」が生まれやすいからです。NASを使っていた頃と同じ感覚で使えるのは、マイドライブではなく共有ドライブのほうです。
全員のPCで同じ「Gドライブ」になる

うちは物件ごとにフォルダを作って、受注・打合せ資料から見積・請求書の控え、製品写真、検査資料まで全部そこに入れています。管理番号で引けるようにして、全社員が同じ場所を見ています。
これを共有ドライブでやっているので、全員のPCで同じドライブレター(G:)に割り当てられます。「Gドライブの物件資料を見て」で話が通じる。マイドライブだと人によってパスが変わるので、この運用はできません。
NAS時代の「\\サーバー名\共有\…」という感覚のまま移行できたのは、共有ドライブがあったからです。
ちなみに共有ドライブには1つあたりのアイテム数に上限があります。うちは物件数が増えて上限に当たり、管理番号の範囲で共有ドライブを分割することになりました。使い込んだ人にしか出てこない話ですが、そのくらいの量を扱っているということです。
Business Plusは選ばなかった。ただし「次の移行先」として置いている

Plusで増えるのは主に、Vault(メールやファイルの保全・検索)、高度な端末管理、監査機能。ストレージも1人5TBに増えます。
これらは「訴訟や監査に備えて記録を保全する義務がある」タイプの会社に必要なものです。今の町工場の日常業務で、この機能が効く場面はありませんでした。
1人あたり月900円の差、6人なら年間64,800円。今その金額を出すなら、他に投資したいところがあります。
ただ、やめたのではなく保留にしただけです。うちの方針は「Standardから入って、必要になったらPlusへ移行する」。プランはいつでも上げられるので、必要性が出てから動けばいい。最初から上限まで買う必要はありません。
じゃあStarterでいい会社は?

逆に、こういう使い方ならStarterで十分です。
- 主な用途が会社のドメインでメールを使うこと
- ファイルは個人が作って個人が使う。共同編集はたまに
- 全員で同じフォルダを見る、という運用がない
- 社内にファイルサーバーやNASを置いていない(=移行すべきデータが少ない)
「Gmailを会社のアドレスで使いたい」が主目的なら、Starterで何の問題もありません。1人30GBも、メール中心の使い方ならそう簡単には埋まりません。
要するに、すでに社内に大量のデータがあるかどうかが分かれ目です。うちのようにNASから移行する会社はStandard以上、これから作っていく会社はStarterから、という考え方でいいと思います。
2社目でも、もう一度同じ判断をした

その後、関係会社をもう1社立ち上げました。こちらは当面2名です。
結論から言うと、こちらもStandardにしました。
まず前提として、この会社は自分が個人で出資しているだけで、資本関係のない別会社です。なのでGoogle Workspaceも親会社とは別契約・別テナントにしています。同じテナントに相乗りさせると、データも権限も混ざってしまう。別会社なら、最初から分けておくほうが後々きれいです。
プランを選ぶにあたっては、今後のことを考えて親会社に合わせたというのが一番の理由です。同じ仕組みを展開していくなら、プランが揃っていたほうが話が早い。
ただ、仮に合わせる必要がなかったとしても、やっぱりStandardだったと思います。2名でも30GBは少なすぎるからです。
そして先ほどと同じ話で、容量だけを別途追加するくらいなら、他の機能も一緒に増えるStandardのほうが結局は得でした。2名だとStarterとの差額は年間19,200円。この額で共有ドライブと2TBが手に入るなら、迷う理由がありません。
迷ったときの判断のしかた

この順で考えれば決まります。
1. 今、社内にどれくらいデータがあるか? → NASやファイルサーバーがある なら Standard 以上。ほぼ無い ならStarterで開始。
2. 全員で同じフォルダを見る運用をするか? → する なら Standard 以上。しない なら Starter。
3. 監査・記録保全の義務があるか? → ある なら Plus。ない なら Standard で十分。
4. 人の出入りが読めるか? → 読める なら年間契約。読めない ならフレキシブルで様子見。
多くの中小企業はStandardの年間契約に落ち着くと思います。うちも2社ともそうなりました。
初年度10%OFFのコードがあります

Google Workspaceには公式の紹介プログラムがあり、当ブログから紹介したかたは初年度のご利用料金が10%割引になります。
6人でStandardの年間契約なら、年間で約11,500円の割引になる計算です。
規約上、割引コードを記事に直接掲載できないため、必要なかたはお問い合わせフォームからご連絡ください。折り返しコードをお送りします。
※送信後、自動返信メールをお送りします。届かない場合は迷惑メールフォルダをご確認ください。
※日本国内でのご利用が対象です。 ※過去にGoogle Workspaceのプロモーションコードを使ったことがない場合に限ります。
まとめ

- NASの自前管理は、トラブル対応もセキュリティも増設も、全部自分に返ってくる
- RAIDはバックアップではない。エラーが出ないまま壊れることがある
- プラン選びの本質はすでに社内にデータがあるかと共有ドライブが要るか
- 1人30GBは、既存データを移行する会社には現実的でない
- 容量だけ追加購入するより、機能も増える上位プランのほうが得
- Plusは監査要件が出てから。最初から上限まで買う必要はない
- 人数が安定しているなら年間契約
うちは2回この選択をして、2回とも同じ結論になりました。機能一覧を眺めても決められませんが、「今あるデータが入るか」「全員で同じフォルダを見るか」の2点に絞れば、意外とあっさり決まります。

