探す手間ゼロ!スプレッドシート入力作業を劇的に変える方法

毎日のスプレッドシートへのデータ入力、正直なところ「ちょっと面倒だな…」なんて感じていませんか?
「今日の作業報告、どこに入力するんだっけ…?」 「たくさんの行の中から該当のセルを探すのが大変…」 「急いで入力したら、一行ずれてて後で修正するハメに…」
小さな町工場では、一人がたくさんの業務を兼任していることも多いですよね。そんな忙しい毎日の中で、こうした小さなストレスが積み重なると、結構な負担になってしまいます。
でも、もし、シート上に置かれたボタンを1つ押すだけで、専用の入力画面がパッと表示され、そこに文字を打ち込むだけで自動的に正しいセルにデータが反映されるとしたら、どうでしょう?
こんな風に ↓

探す手間はゼロ。入力ミスも激減。いつもの面倒な作業が、ちょっとした快感に変わるかもしれません。
今回は、そんな魔法のような「カンタン入力ボタン」を、PCが苦手な方でも絶対に作れるように、手順を一つひとつ丁寧に解説していきます。プログラミングの知識は不要です!コピペと、私たちの頼れる相棒AI(Gemini)がいれば、誰でも簡単に実装できますよ。
さあ、一緒に日々の面倒を解消していきましょう!
なぜ「直接入力」はもう古いのか?ダイアログ入力3つの快感
そもそも、なぜわざわざ入力ボタンなんて作る必要があるのでしょうか?直接セルに打ち込んだ方が早いのでは?と思うかもしれません。しかし、この「ダイアログ入力」には、直接入力にはない3つの大きなメリット(快感!)があるんです。
快感① 探さないから「速い」
日報や在庫管理シートなど、データが下へ下へと追加されていくシートを想像してみてください。今日入力すべき「一番下の行」を探して、マウスでスクロール…なんてこと、ありませんか?
ダイアログ入力なら、ボタンを押せば入力画面が表示されるだけ。入力するセルを探すという行為そのものがなくなります。この「探す時間」がなくなるだけで、作業スピードは驚くほど向上するんですよ。
快感② 入力場所が決まってるから「間違えない」
「B列に入力するつもりが、間違えてC列に入力してしまった!」
こんなヒューマンエラーは、誰にでも起こり得ますよね。しかし、入力ミスは後からの修正が本当に面倒です。
ダイアログ入力を使えば、「このボタンを押したら、必ずこのセル(例えばA列の最終行の次)に入力される」というルールをプログラムで決めておけます。これにより、「うっかりミス」を仕組みで防ぐことができるのです。
快感③ ボタンを押すだけだから「楽しい」
これは気持ちの問題かもしれませんが、とても大事なことです。
毎日繰り返される「シートを開いて、探して、入力する」という単調な作業は、どうしても義務感に苛まれます。しかし、「自分で作った専用ボタンを押して、スマートに入力する」という作業に変わるだけで、不思議と仕事が楽しく感じられるようになります。
日々の業務に、そんな小さな「楽しい」を仕掛けていくことが、効率化を長続きさせる秘訣なんです。
たった3ステップ!コピペで完成「魔法の入力ボタン」作成術
お待たせしました!それでは早速、「カンタン入力ボタン」を作っていきましょう。今回は例として、「ボタンを押すと入力ダイアログが表示され、入力した内容がA1セルに反映される」という、最もシンプルな機能を作ってみます。
ステップ1:スクリプトエディタを開こう
まずは、プログラムを書き込むための「スクリプトエディタ」という画面を開きます。難しくないので安心してくださいね。
- 入力ボタンを作りたいスプレッドシートを開きます。
- 上部メニューから「拡張機能」をクリックし、その中の「Apps Script」を選択します。

すると、新しいタブでコードを書き込むための画面が表示されます。これがスクリプトエディタです。
ステップ2:コードを貼り付けよう
スクリプトエディタが開いたら、最初から書かれている function myFunction() { ... }
という文字はすべて消してしまいましょう。そして、以下のコードをそのままコピーして、真っ白な画面に貼り付けてください。
function showInputDialog() {
// ユーザーインターフェースを取得
var ui = SpreadsheetApp.getUi();
// 入力ダイアログを表示
var result = ui.prompt(
'データ入力', // ダイアログのタイトル
'セルに入力する内容を教えてください:', // ダイアログのメッセージ
ui.ButtonSet.OK_CANCEL); // OKとキャンセルのボタンセット
// ボタンの応答を取得
var button = result.getSelectedButton();
var text = result.getResponseText();
// OKボタンが押された場合
if (button == ui.Button.OK) {
// アクティブなスプレッドシートを取得
var spreadsheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
// アクティブなシートを取得
var sheet = spreadsheet.getActiveSheet();
// A1セルに入力されたテキストを設定
sheet.getRange('A1').setValue(text);
// 完了メッセージを表示
ui.alert('「' + text + '」をA1セルに入力しました。');
}
}
貼り付けたら、フロッピーディスクのアイコン(保存ボタン)をクリックして、スクリプトを保存します。プロジェクト名を尋ねられたら、「入力ダイアログ」など、分かりやすい名前を付けてあげましょう。

ステップ3:ボタンをシートに設置しよう
最後に、今作ったプログラムを呼び出すための「ボタン」をシート上に設置します。
ボタンの作成方法は以下の記事にまとめてますので参考にしてください。


ボタンの形状は何でもOKですが、おそらく文字入力すると思うので四角形がベストかと。今回は丸形でやってみます。(結構ダサいですね・・)

スクリプトを「showInputDialog」に割り当てて「確定」ボタンを押して完了。
これで完成です!シート上のどこか適当なセルをクリックしてボタンの選択を解除してから、今作ったボタンを押してみてください。

画面中央にデータ入力の画面が開きます。

適当に文字を入力して「OK」ボタンをクリック

入力完了のメッセージがでました。

A1セルに先ほど入力した文字列が反映されてます。
どうですか?入力画面が表示され、文字を入力して「OK」を押すと、A1セルにその文字が反映されたはずです!初回実行時には「承認が必要です」という画面が表示されますが、画面の指示に従って許可をすれば大丈夫です。
詳細は以下の記事に記載してますので参考にしてください。

【初心者でも安心】AI(Gemini)にコードを作ってもらう裏ワザ
「コピペはできたけど、コードの意味はさっぱり…」 「A1セルじゃなくて、B5セルに入力したい場合はどうすればいいの?」
そう思った方もご安心ください。そんな時こそ、AIアシスタントGeminiの出番です!
今回はちょっとだけ実務に近づけて複数のセルに入力させて使いやすくしてみましょう。

スプレッドシートに「会社名」「部署名」「担当者名」の入力項目を準備します。もちろんまだたくさんの列に入力項目を追加してもOKです。
GASのコードが分からなくても、やりたいことを日本語でお願いするだけで、Geminiがコードを書いてくれます。例えば、Google検索で「Gemini」と検索して公式サイトにアクセスし、チャット画面でこのように聞いてみましょう。
Googleスプレッドシートで、ダイアログボックスを表示させたいです。
A列には会社名、B列には部署名、C列に担当者名を入力します。
入力開始は2行目から。入力済みであれば末尾の行を探して入力するようにしてください。
入力開始のトリガーはこちらでボタンを作成しています。

すると、Geminiはすぐにコードを生成してくれるはずです。

右上のコピーボタンを押してコピーしてApps Scriptの画面で先ほどのコードを全て削除して貼り付けてみて保存してください。
「スクリプトの割り当て」も変わっていたら変更しましょう。

次に今回は上記で入力したコードの他に「HTMLコード」も追加する必要があるようですのでGeminiが指示する要領で追加していきます。

画面左上の「ファイル」横の「+」ボタンをクリックし、「HTML」をクリック。

コード.gsの下に「無題」の欄が追加されます。

Geminiの言う通りに今回は「dialog」と入力し「Enter」を押す。

先ほどと同様に入力されているGeminiが出力してくれたコードを貼り付けて保存ボタンをクリック。
手間は少し増えましたが、このように基本コピペで完成です。
そしたら先ほど作成したボタンを押してみましょう。

如何でしょうか?もう実務でも使えそうな入力用のダイアログが完成してます!
いくつかサンプルで入力して登録していきます。

今回は連続して入力できるように末尾にどんどん追加していくようにお願いしているのでもうセルを選ぶ必要すらありません。
このように、AIを活用すれば、プログラミングの知識がなくても「ちょっとここをこうしたい」というカスタマイズが自由にできてしまいます。まさに、PCが苦手な私たちのための強力な味方ですね!より詳しい使い方については、Google AI の公式サイトで様々な活用法が紹介されています。

まとめ:小さな改善が、未来の余裕を生み出す

今回は、スプレッドシートに「カンタン入力ボタン」を作成する方法をご紹介しました。
- スクリプトエディタを開く
- コードをコピペ(またはAIに作ってもらう)
- シートにボタンを設置して、スクリプトを割り当てる
たったこれだけのステップで、毎日の面倒な入力作業が、驚くほど快適になります。
「たった数秒の短縮でしょ?」と思うかもしれません。しかし、私たちのブログのテーマは「些細なことでも積み重ねていけば大きな余裕が生まれる」です。この数秒、数分の積み重ねが、いずれは新しい業務に挑戦するための貴重な時間を生み出してくれるのです。
ぜひ、今回の方法をあなたの職場で試してみてください。そして、「こんなボタンを作ったら、すごく便利になったよ!」という事例があれば、ぜひ教えてくださいね。